人事労務ニュース
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文書作成日:2017/03/07

2017年4月より企業単位で任意加入が可能となるパートタイマーへの社会保険の適用

 2016年10月より、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用拡大が行われ、従業員500人を超える企業に勤務し、一定の要件に該当するパートタイマーについては社会保険が適用されることとなりました。これに続き、2017年4月より、従業員500人以下の企業に勤務する場合でも、任意で社会保険に加入することができるようになります。そこで今回は、この適用拡大について、2016年10月からの流れも含めてとり上げましょう。

1.2016年10月に行われた社会保険の適用拡大
 2016年10月に、同一事業主の適用事業所で、厚生年金保険の被保険者数の合計が常時500人を超える事業所が社会保険の適用拡大の対象となりました。この同一事業主の判断は、法人事業主の場合には法人番号が同じ事業所を、個人事業所の場合には現在の適用事業所により行われます。そして、この対象となった事業所を「特定適用事業所」と呼び、2016年10月以降に厚生年金保険の被保険者数の合計が常時500人を超えるような事業所も対象となります。この際、被保険者数が500人前後を推移するケースも出てきますが、1年間で6ヶ月以上、500人を超えることが見込まれる場合には特定適用事業所の対象となります。

 次に、適用拡大の対象となる人ですが、特定適用事業所に勤務する短時間労働者(パートタイマー)で、勤務時間・勤務日数が常時雇用労働者の4分の3未満で、次の(1)〜(4)のすべてに該当する人となります。

(1)週の所定労働時間が20時間以上あること
(2)雇用期間が1年以上見込まれること
(3)賃金が月額88,000円以上であること
(4)学生ではないこと

 これらのうち、(3)については、賞与等の1ヶ月を超える期間ごとに支給されるものや、時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金、通勤手当や家族手当といった最低賃金法で算入しないことになっている賃金は含めずに考えることとされています。

2.2017年4月に行われる社会保険の適用拡大
 社会保険の適用拡大は当初、特定事業所のみが対象となっていましたが、2016年12月に「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金改革法)が成立し、2017年4月より特定適用事業所でない事業所についても労使の合意に基づき、短時間労働者も社会保険に加入できることとなります。ただし、加入する場合は企業単位となり、加入したい人だけを加入させることはできないこととなっています。また、加入できる人は上記の(1)〜(4)のすべてに該当する必要です。

 社会保険料の負担は労使双方にとって重いものですが、将来の老齢年金を少しでも増やしたり、健康保険から行われる給付を考慮に入れて、加入をしたいという従業員がいる場合もあります。今後、多様な働き方が認められてくる中で、労働時間も柔軟になってくることと思われます。従業員および求職者がどのようなことを求めているのかを踏まえ、特定適用事業所以外の事業所の加入も検討してもよいのかも知れません。

■参考リンク
厚生労働省「年金改革法(平成28年法律第114号)が成立しました」

日本年金機構「平成28年10月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大が始まります。」

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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